ラブライブ!スーパースター!!TVアニメ2期10話 渋谷に響く歌ー1

※ネタバレ注意!!観てない人はスクロールしない様に!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アバン

渋谷の上空で一機のヘリコプターが飛んでいて、ラブライブの司会者シブヤレポーターが搭乗していた。

シブヤレポーター「さァやってまいりますのは今週末!ラブライブ東京大会ィ!!!」

シブヤレポーター「各校のスクールアイドル達はどんなステージを見せてくれるのでしょうかァ!!!!!!」

その頃Liellaは北海道で合宿中だった。

メイ「オイ、夏美!な~つみィ!!!!」

すみれ「何処にいるのォ~!!」

すみれとメイは吹雪の中、夏美を探していた。

メイ「オ~イ!!あ、夏美!!」

夏美を見つけたが、立ったままだった。

メイ「あれェ?自撮りしたまま・・・」

すみれ「固まってる・・・」

夏美「撮影・・・開始・・・」

きな子「あんまり離れると迷子になるっすよォ~」

千砂都「早く戻ってェ~!!」

夏美「このままでは取れ高がァ~!!!!」

夏美は倒れそうになって。

すみれ「危ない!」

夏美「取れ高がァ~!!!!!」


ペンションに戻り。

夏美「うう~」

メイ「あんまり無茶すんなよォ」

夏美「折角の北海道ですのよ?日々新しい動画を出し続ける事が如何に重要か・・・」

すみれ「はいはい!そこまで!!」

すみれは暖かい飲み物を持ってきてくれた。

夏美「あったかあ~い♡って聞いた話と違いますの!ぬぁ~んですの!この状況はァ!!」

メイ「それは・・・」

可可「凄い吹雪デス」

かのん「アハハ・・・」

恋「晴れていれば素敵な景色なのでしょうね。晴れていれば・・・」

かのん「明日はすっかり晴れるみたいだよ?そしたら、沢山練習出来るねェ~」

千砂都「も~かのんちゃんのバカァ!!!」

かのん「うェ!?」

千砂都「かのんちゃんが・・・あの時・・・」

千砂都の回想。

千砂都「冬休みに強化合宿したいと思います!!是非、みんなの意見を!!」

可可「ここは是非、私の故郷、上海にィ!!」

すみれ「そんな時間はないでしょォ!!」

メイ「きょ、京都ォ!!」

四季「行きたいだけ」

メイ「う・・・」

恋「渋谷区でも合宿出来る施設はあるみたいです」

夏美「都内じゃ代わり映えしないですの」

かのん「困ったなァ・・・」

きな子「あるっすよ。かのん先輩も来てくれた、きな子のペンション。お母さんがいつでも来てって」

かのん「本当に!?」

すみれ「説明して貰える?」

可可達2年生はかのんをガン飛ばし。

かのん「ん?うッ!!」

すみれ「私、きな子の家に行った事ないんだけどォ」

かのん「ううッ・・・」

可可「一人内緒で行ったのデスカァ?」

かのん「いやァ・・・そうじゃなくてェ・・・」

恋「無連絡ゥ・・・」

千砂都「ふーん・・・そーだったんだ♡」

かのんは慌てて。

かのん「ち、ちぃちゃん!ち、違うの!!ほ、ほら、前にお父さんが忘れ物して届けに行った時・・・」

かのん「ヒィィ!!!!!!」

千砂都はかのんを睨みながら。

千砂都「一言言ってくれなかったのが・・・ショックゥ」

かのん「ゴメンなさい!!きな子ちゃん助けてェ!!!!」

回想は終わり。

かのん「でもこういう周りに何もないところの方が集中して練習出来ると思ったんだ。1年生とももっと距離を縮めたいなって思ってたから」

四季「一体感」

かのん「そうそれ!ここなら自然に全員の距離が近くなると思うんだ」

メイ「それは分かるけど・・・」

きな子「でもそれだけで先輩に追い付けるとは・・・」

夏美「ですの!!」

かのん「フフフッ。今回は1年生も一緒に!!」

Aパート

翌日、昨日の吹雪とは打って変わって晴天だった。山羊のクロミツが。

クロミツ「メェ~」

Liellaは歌詞、作曲、衣装、振り付けに分けて特訓を始めた。

まず、千砂都と四季は振り付け。

四季「私が?」

千砂都「うん!一緒に振り付け考えてみない?東京大会は曲もダンスも全部、1年生と2年生が共同で作る!それが一体感を高めるには一番いいって」

四季「それは理解。でも無理」

千砂都「どうして?ダンス1年生で一番得意でしょ?」

四季はしゃがみ込んで。

千砂都「ん?」

四季「分かり易く言うと、千砂都先輩がミヤマクワガタだとすると」

四季「四季はダンゴムシ・・・」

千砂都「全然分かり易くないィ・・・」

四季「とにかく無理」


千砂都「何か勘違いしてるよ、四季ちゃん。別にダンスで私と競争しようっていうんじゃないよ?一緒に振り付けを考える。力を貸して欲しいんだ!」

千砂都「そしたら、私が最初に振り付けを考えてみるから、それを見て四季ちゃんから意見を貰う、そんな感じでやってみようよ!!」

四季「あ・・・」

作曲担当は恋とメイ。

恋「ああァァ~!!!!」

メイ「チキショウ!!!こんなの無理だろォ!!!」

恋「難し過ぎますゥ!!!!!」

メイ「さっきの鍵、やっぱ必要だったんじゃ・・・」

恋「確かに!戻ってゲットしましょう!!」

メイ「ああ!よし!コンティニュー!!!」

メイ「・・・ってこんな事してる場合じゃねー!!!!」

二人は作曲よりゲームに夢中だった。

恋「ハッ!久々の協力プレイ楽しすぎましたァ・・・」

メイ「・・・作曲するんだろ?」

恋「ええ!」

メイ「私に期待すんなよ?ピアノっつっても小さい頃から親に言われて習ってるだけだぞ」

恋「この前聴かせて頂きました。伸び代は無限大です!」

メイ「勘弁してくれよォ・・・」

恋「続けて来られたという事は、嫌いじゃなかった筈です。さあ!」

メイ「あ・・・」

恋は弾き始めて、弾き終えて笑顔で。

恋「フフッ、次はメイさんですよ」

メイは言われるがままにピアノを弾き始めた。

歌詞担当はかのんときな子だが、何故か二人はヨガを始めた。

きな子「かのん先輩ィ」

かのん「歌詞、降りてきたァ?」

きな子「今のところまだ・・・」

きな子「ホントにこんなので思いつくんすか?」

かのん「フッ!?今日、調子悪いィ・・」

きな子「かのん先輩!!」

かのん「ん?」

きな子「きな子の部屋に、昔、書き溜めた歌詞ノートがあるんす。良かったら・・・」

きな子は顔を両手で隠し。

きな子「やっぱり恥ずかしい!!!」

かのん「無理しなくてもいいよ。きな子ちゃんの大切な気持ちが詰まったノートだもんね」

きな子「そんな・・・きな子の言葉なんて、とても・・・」

かのん「私もね、すっごい恥ずかしんだ」

きな子「かのん先輩が?」

かのん「最初、みんなに見せる時。うああああ!!ってノート全部ビリビリにしたいくらい」

きな子「信じられないっす」

かのん「フフッ。私なんて一人じゃてんで駄目。だからきな子ちゃんが恥ずかしいって思ってくれていて、ちょっとホッとしたんだ」

きな子「そんな・・・それじゃ、きな子が巻き添えみたいじゃないっすか」

かのんはきな子を抱き着いて。

かのん「いいじゃん!!」

きな子「うわッ!」

かのん「でも、その後待っている、嬉しさとか、感動とかも巻き添え出来るから、きな子ちゃんにやって欲しいって思ったんだ」

きな子「あ・・・」

かのん「一緒に頑張ってみよ?」

衣装担当は可可、すみれ、夏美だが、夏美は自撮りで撮影していた。

夏美「オ~ニナッツ~♡」

夏美「今日は合宿中のLiellaに密着ですの~!密着、密着ゥ~」

可可はアーチを制作していて、すみれはそれを見て。

すみれ「ちょっと!何なの?コレ」

可可「他校に負けてないと伝える為デスゥ!!」

すみれ「又、こんなモン作ってどーするのよ!」

可可「この後、開かれる出場者のリモート会見!!そこから既に戦いは始まるのデスゥ!!!!」

すみれ「そんなの配信ならバーチャル背景で何とでもなるでしょォ!!!」

可可「う、五月蝿いデスゥ!!!!!!!だからこそLiellaは手造りの良さを見せるのデスゥ!!!」

揉めている二人に夏美は声を掛けて。

夏美「あの~」

クゥすみ「何ィ!?」

可可とすみれは夏美を睨み。

夏美「あっ、いやァ~お二人共、変ですの。抱き合って、泣いてみたり喧嘩してみたり、それでいいんですの?」

すみれ「可可が強情なだけよォ」

可可「何をォ!!!!!!すみれが五月蝿いからデ~スゥ!!!!!!!」

揉めながら、可可が作っているアーチが、可可の服に付着して、剥がれる音がして。アーチ自体が倒れ始めた。

「ああァァ~!!!!!!」

アーチが倒れるところを止めた3人。

夏美「マニーがァ!製作費が無駄にィ~!!!」

可可「頑張るデスゥ~!!!!!」

すみれ「何やってんのよォ~!!!!!」

一方、かのんの家族、ありあと両親は東京大会のリモート会見を今かと今かとノートパソコンのモニタを見つめていた。

ありあ「さァ、始まるよ!!」

かのんママ「かのん!!」

ありあ「あっ!」

リモート会見が始まり、司会進行はシブヤレポーター。彼女は元気にはしゃぎながら。

シブヤレポーター「お待たせしましたァ~!!!!では、これよりリモート会見を行いま~す!!!」

シブヤレポーター「それぞれの意気込みを、モニターのみんなに伝えまくりましょう!!!!」

千砂都「始まった!」

剥がれた部分のアーチはガムテープで仮止め。

四季「何故にガムテェ?」

すみれ「聞かないで」

可可「すみれが余計な事を言うからデスゥ」

夏美「静かに!そろそろ来ますの!!」

シブヤレポーター「それではLiella張り切って~どーぞ!!」

千砂都「皆さんこんにちは!私達は・・・」

かのん「結ヶ丘女子スクールアイドル部!」

「Liellaです!!!!!!!!!」

千砂都「えっと・・・」

かのん「私達Liellaは去年、決勝には進めませんでした。それから1年、今年こそは全員で決勝に進もうって、頑張ってきました!!!」

かのん「叶う事なら、優勝を目指して、みんなを笑顔に出来るライブをしたいと思っています」

千砂都「皆さんの応援!!」

「宜しくお願いします!!!!!!!!!」

シブヤレポーター「ありがとう!!!!以上Liellaでした!!!!」

会見を終えて、かのん達はホッとし。

かのん「はあああ、いつまで経っても慣れないなァ・・・」

千砂都「そんな事ないよ。助けてくれてありがと」

かのん「ううん、思わず話しちゃった」

リモート会見は進んで。

シブヤレポーター「続いては、今大会注目のウィーン・マルガレーテちゃんです!!!」

かのん「アッ!」

きな子「凄いっす!!」

モニタに映るウィーンの表情は平然だった。

四季「相変わらず、表情ない」

メイ「お前が言うなァ」

会見が始まりウィーンはこう述べた。

ウィーン「私がラブライブに出場するのは、ここが如何に低レベルであるかをスクールアイドル達に知って貰う為。私が本当の歌を教えてあげる。それだけ」

全てのスクールアイドルに対する傲慢な発言だ。

通信が強制的に切断され、いつも元気に司会している、シブヤレポーターは体中震えながら。

シブヤレポーター「わわわわわわ!これはとんでもないスクールアイドルの登場だァ~!!!!!」

コメントも相次ぎ。

それを観た可可とメイは。

可可「ラブライブが低レベル!?」

メイ「ふざけんな!!!!いきなり出てきて好き勝手な事を・・・!!!!!」

スクールアイドルに情熱を燃やしている二人にとって、ウィーンの傲慢な発言に憤慨するのも当然である。メイの隣にいる、きな子もムッとした不快な表情だった。

四季「でも最強と言われたサニパさんに勝った」

可可「それは・・・」

Liellaや全てのスクールアイドルだけでなく、かのんの家族にも衝撃を受けた。

ありあ「う~わ~!!波乱だ!!!どーなっちゃうのォ?」

かのんママ「ああ・・・」

と嘆いた。

その後、可可、すみれ、恋は入浴中で、可可は先程のウィーンの言葉に怒りが収まらないらしい。

可可「んう~ぶるるるるる~」

すみれ「五月蝿いわね、ゆっくりさせてよ」

可可「んう~」

かのんは部屋でウィーンの画像を閲覧しながら会見の言葉を脳裏から浮かび。

ウィーン(私が本当の歌を教えてあげる。それだけ)

千砂都が来て。

千砂都「マルガレーテちゃんの事?」

かのん「うん。駄目だね。一人でいると無駄に考えちゃう。お風呂そろそろだよね」

千砂都「1年生も頑張ってる。きっと大会までに、みんなもっと」

かのん「うん、みんな凄く頼もしいよ。それとは別に・・・本当の歌って何なんだろう?」

千砂都「マルガレーテちゃんの・・・」

かのん「言ってたでしょ?自分が本当の歌を教えるって」

千砂都「うん」

かのん「フェスでのデビューライブも、サニーパッションさんを倒した地区予選もマルガレーテちゃんは歌、ダンス、共に圧倒的だった」

かのん「でも・・・あれが、本当の歌なのかな」

千砂都「凄いと思うよ。自分の世界を完全に描けてる」

かのん「マルガレーテちゃんもきっと歌が大好き。だからこそ歌で泣いたり、笑顔になれたりする素晴らしさを知っている筈。なのにマルガレーテちゃんから伝わってくる気持ちは『勝つ』ただそれだけが胸に刺さる。それがまるで氷・・・みたいで・・・」

千砂都「あ・・・」

風呂から上がったすみれ達が来て。

すみれ「お先~」

千砂都「さあ行こう!1年生待たせちゃうよ」

すみれ「あら!」

千砂都「さっきマルガレーテちゃん見て練習しようって思ったんだね」

すみれ「なかなかやるじゃない」

恋「みんな素敵です」

可可「うわあ~」

四季達1年生、はウィーンの言葉に気になったのか、猛練習。

かのん「ねえみんな」

外は雪が降り始めた。

かのん「明日の練習メニュー、私が決めてもいい?」

ー2につづく