侑「よし!」
侑はスクールアイドル同好会の部室の扉を開けて。
侑「皆さんこんにちは!!私は、今、虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会の部室に来ています!!只今おやつタイムで~す♡」
同好会メンバーはコーヒーカップを手にしながら、テーブルにはクッキーが置いてあった。
カメラ目線は歩夢を向けて。
歩夢「エッ、動画撮ってるのォ?」
侑「さァ、歩夢さん、今の気持ちをどーぞ!!」
歩夢「えっと、普通に困ってます・・・」
歩夢の後ろからせつ菜が。
せつ菜「優木せつ菜です!!みんな、見えてますか?」
エマもカメラに向かって。
エマ「チャオ~エマだよ♡彼方ちゃんのクッキーとってもボーノ!!」
彼方「お褒め預かりし、彼方ちゃんで~す♡」
かすみが割り込んで来て。
かすみ「はいは~い!かすみんで~す♡かすみんも褒めて下さい♡♡」
次は嵐珠も割り込んできて。
嵐珠「嵐珠だって、幾らだって褒めていいのよ♡」
かすみ「かすみんが先ですよォ!!」
嵐珠「嵐珠も負けないわ!!!」
かすみ「ちょっと、どいて下さ~いィ!!」
かすみと嵐珠が揉めているとき。栞子はこう言った。
栞子「あのォ・・・それでこの動画は趣旨は何なのでしょう?このままだと、収拾がつかなくなりそうですが」
侑「エヘヘ、急にゴメンね。この同好会の日常を記録しておきたいと思って。ほら、学園以外のファンの人達にはスクールアイドルのみんなしか知らないでしょォ?素のみんなもこんな素敵なんだよって、伝えられないかなと思っててさァ」
果林「成程、話は分かったわ。だけど・・・」
璃奈「うん。その撮り方だけじゃ、伝わらない事もある」
璃奈は璃奈ちゃんボードで顔を隠した。
愛「そうだよ!!同好会の日常を映したいでしょ?だったら、絶対に欠かせないものがあるじゃん!!」
侑「う~ん、何だろう?」
侑は見渡して。
侑「あ、ホワイトボードとか?それともバランスボール?」
しずく「侑先輩、鈍いですゥ・・・」
ミア「I'm so stunned…」(訳・分かってないな)
せつ菜「侑さん!!」
せつ菜は侑が持っているカメラを取って、カメラ目線は侑に向けた。
せつ菜「次は侑さんの番です!!」
侑「エッ?」
侑「あ・・・えっと・・・こんにちは。スクールアイドル同好会の高咲侑です。みんなの応援したり、曲を作ったりしてます」
侑「不束(ふつつか)者ですが、よろしくお願いします!!」
侑は焦りながら。
侑「改めて挨拶するって、何だか照れるねェ・・・」
せつ菜「さァ、侑さん今後の意気込みをどうぞ!!」
侑「え、えっとォ・・・」
侑「みんなの事は私が幸せにしますゥ!!!!」
彼方「わォ、大胆発言」
果林「大胆問題発言ねェ」
侑「いやァ~部員としてのみんなのライブが最高のステージになる様にちゃんとサポートするよっていう・・・」
栞子「みんな最高もいいですが」
かすみ「侑先輩にとって一番誰なんですか?」
かすみ「勿論、かすみんですよネねェ?ねェ?」
ミア「僕でしょォ?ベイビーちゃん♡」
せつ菜「きっと私です!」
果林「あら、私よねェ?」
栞子「私も立候補したいです」
嵐珠「嵐珠に決まってるわ!」
愛「愛さんだよねェ~」
彼方「彼方ちゃんはァ~♡」
しずく「侑先輩、私ではないんですかァ?」
璃奈「璃奈ちゃんボードうるうる」
エマ「間を取らなくても私だよ~♡」
歩夢「侑ちゃん?」
究極の選択に迫られている侑。
侑「ひと・・・ひと・・・」
侑「ヒトリダケナンテエラベナイヨォ~!!!!!!!!!!!!!!!!!」
侑の叫び声は学園内に響いた。
2話 ランジュと愛と可愛い
嵐珠「ニイハオ!みんなのアイドル、嵐珠よ♡」
嵐珠「どうかしら?」
歩夢「どうって・・・何が?」
果林「あ、髪切ったァ?」
嵐珠「切ってないわァ」
歩夢「シャンプー変えた?」
嵐珠「変えてないわァ」
侑「今、嵐珠ちゃんと愛ちゃんで『可愛さ対決』をしてるんだよ!」
歩夢「可愛さ対決ぅ?あァ、それで」
嵐珠「かすみ師匠に教わったのよ!」
果林「かすみ・・・師匠?」
そのかすみは頭に王冠、背中にマントを付けて、腕を組んでいた。
かすみ「フッフッフッ~高みで待っていますよォ」
果林「舞い上がってるわねェ、かすみちゃん」
侑「それでは、辛口審査員の皆さん、点数をお願いします!!」
歩夢「そーゆー形式なんだ」
因みに辛口審査員はミア・栞子・エマの3人だ。
ミア「55点」
栞子「28点」
エマ「3恒河沙(こうがしゃ)ァ!!!!!!」
侑「エマさん、とっても甘口ィ!!!!!」
因みに恒河沙は一般的には10の52乗を表す単位である。
侑「ミアちゃん、この点数は?」
ミア「う~ん、いつもの通りの嵐珠っていう感じだったかなァ」
侑「栞子ちゃん」
栞子「そうですね、嵐珠には不利な対決だと思います」
嵐珠「ハッキリ言うわねェ、栞子ォ・・・」
嵐珠「嵐珠の可愛さで、みんなのハートをキュンキュンさせちゃうわよォ!!ほら、キュンキュン♡♡」
栞子「審査員に圧、掛けるの止めて下さい!!」
エマ「良かったよ、嵐珠ちゃん!!」
嵐珠「ありがとう、エマ!」
侑「それでは、後攻、愛ちゃん!どーぞ!!」
愛「コホン!ちゅっちゅ♡」
愛「ちゅきちゅき♡」
愛「ラブラブ♡♡」
愛「リン♡」
愛「ぷふッ♡」
愛はバカ笑いして。
愛「アハハハァッ!!無理無理、笑っちゃってェ!!ヤバ過ぎるでしょォ!!コレェ!!!アハハハァッ!!アハハハァッ!!!!」
辺りは静寂に包まれた。
「・・・」
愛「も、もう一回行くねェ?」
愛「チュ♡」
愛「アハハァッ!アハハハハッ!!イヒヒヒィッ!!くるし~いィ!!!」
歩夢「最早、何も出来てないけどォ・・・」
結果は。
ミア「言えてないし48点だね」
栞子「53点ですね」
エマ「8阿僧祇(あそうぎ)ィ!!!!!」
侑「エマさんの甘さがとどまるところを知らない・・・」
阿僧祇は10の56乗を表す単位である。
それから。
嵐珠「アイヤァー、嵐珠もまだまだねェ。かすみの様にもっと高みを目指さなくちゃ・・・」
果林「あんまり褒め過ぎると、高みから降りて来られなくなっちゃうわよォ」
かすみの乗っているお立ち台は成層圏に聳え立って、かすみは震え始めた。
かすみ「降ろして下さ~いィィ!!!!!!」
愛「いや可愛いとか無理だよ。途中で面白くなっちゃうもん。愛さんには向いてないよ。ゆうゆも笑っちゃうでしょォ?」
侑「私は普段から二人の事、可愛いなって思ってるけどォ?」
愛・嵐珠「ん・・・」
エマ・ミア・栞子「おおォ~」
嵐珠「そう・・・」
愛「アハハ・・・そうくるか・・・」
侑「ん?」
ミア「100点」
栞子「100点」
エマ「100那由他(なゆた)ァ~!!!!!!!」
那由他は10の60乗の単位である。
3話 ミアと歩夢とホラー
侑「ホラー映画?」
歩夢「うん。A・ZU・NAの表現力を高める為に観ようって話になって」
因みにA・ZU・NAは、歩夢、しずく、せつ菜のユニットである。
せつ菜「折角なので、今から皆さんも一緒にどーですかァ♡」
しずく「大勢で観ると、楽しいですよォ~♡」
怖さを演出しているせつ菜としずく。
かすみ「体よく道連れにしようとしてないィ?」
歩夢はそわそわしている、ミアを見て。
歩夢「ん?ミアちゃんは怖かったら無理しなくていいからね」
ミア「ハァ!?ハァ!?ハァ!?バカにしないでよォ!!!こんなの楽勝さァ!!!言っておくけど、僕は3年生!!歩夢よりも先輩なんだからねェッ!!!!!!」
強がるミア。
早速、ホラー映画を鑑賞する同好会メンバー。
すると、白い人体のお化けが。そしてミアの悲鳴。
ミア「ぎゃあああああああァァァッッッ!!!!!!!!!!!」
ミアは体中、震えながら。
ミア「ぼ、僕は14歳だぞォ!!手加減してよォ!!!!」
※ミアっち、楽勝だって言ってたじゃんww
しずく「うふふ♡子供でも大丈夫な作品ですよ」
怖がっているのはミアだけではなかった。
エマ「ヒィ~!!怖いよォ~嵐珠ちゃん!!」
嵐珠「無問題ラァ!嵐珠が守ってあげるわ!もっと嵐珠に頼りなさい!!」
侑「あああ、歩夢ゥ。だだだ大丈夫だよォ!!わわわ私がついてるからねェ!!」
歩夢「うん、侑ちゃんも無理しなくていいからね」
と半べそを掻く侑。
栞子「怖いです・・・怖いです・・・」
愛「はいはい」
果林「自分より、怖がってくれる子がいると、何故か冷静になれるわよねェ」
しずくとせつ菜は冷静に鑑賞。
しずく「フム、ここの演出は・・・」
せつ菜「もうすぐ出口ですよ!」
彼方は居眠りを始めて。
彼方「すやぴ♡」
かすみ「うわ!彼方先輩ズルいですゥ!!!」
璃奈は璃奈ちゃんボードで顔を隠して。
璃奈「全然余裕!璃奈ちゃんボード、きりり♡」
かすみ「りな子も画面観てないでしょォ!?」
ミア「あ・・・」
ミアは目を閉じてしまい。気が付いたら部室が赤く染まって、ミア以外のメンバーがいなくなっていた。
ミア「あれ?みんな、何処に言ったのォ?」
ミアの後ろには璃奈ちゃんボードが舞っていた。
ミア「誰か~」
無数の璃奈ちゃんボードが・・・
ミアは部室を出て、学園内を歩き始めた。
ミア「Is anyone there?」(訳・誰かいないの?)
ミアは歩夢を見つけ。
ミア「良かった、歩夢!」
ミア「ねェ、みんなは?」
ミアは歩夢の右肩を触って、歩夢の髪の瘤の部分が床に落ちた。
ミア「エッ?」
それと同時に歩夢は倒れてしまった。
ミア「歩夢!歩夢!!」
ミア「ねえ!大丈夫!?起きてよ歩夢!!ねえ!しっかりしてよ!!歩夢!!!」
すると、歩夢の髪の瘤から喋り始めた。
「アソボ・・・アソボ・・・」
「遊ボ・・・一緒ニ遊ボ?」
ミアは息を荒くしながら、周囲を見回した。
歩夢の髪の瘤がミアの所に移動してきた!
ミア「うえッ!!!???」
「ネェ、ミアチャン、遊ボウ♡」
すると、ミアが起き上がって、息を荒くしていた。
ミア「わあッ!!」
ミア「Nightmare?」(訳・悪夢か?)
傍には侑と歩夢が。
歩夢「大丈夫?随分、うなされてたから・・・」
ミア「・・・」
それ以降、ミアは歩夢を見て、怯えていた。
侑「どーしたの?ミアちゃん?」
ミア「何でもない・・・」
歩夢「ん?」
4話~6話につづく