※ネタバレ注意!観てない人はスクロールしない様に!!
アバン
恋は話を続け。
恋「神宮音楽学校の生徒だった母は、同じ場所に再び学校を創りたいと願い続けていました」
かのん「それで結ヶ丘を・・・」
恋「しかし、海外での仕事が決まっていた父はそれに反対し、家を出て行ったのです」
恋「それでも母は頑張って創立まで漕ぎ着けたのですが、無理した事もあり、2年前、帰らぬ人に・・・」
千砂都「じゃあ、一人っていうのは本当に・・・」
恋「はい・・・」
可可「お金がないというのも・・・」
恋「恥ずかしながら本当です。父は海外で一緒に暮らそうと言ってくれましたが、断りました」
恋「母が遺した学校をこの街で一番の高校にしたい、より多くの生徒を集めなければ、その目標を成し遂げる事は出来ません」
かのん「あ・・・」
葉月邸を去る時、チビはかのんと別れるのは辛いのか、チビはかのんに抱き着いた。
チビ「ハッハッ、ワオン!!」
かのん「あ・・・勝手に押しかけちゃってゴメンね」
恋「いえ、今までのわたくしの態度を考えたら、仕方ないです」
かのん「葉月さん・・・」
恋「あの・・・」
かのん「ん?」
チビはかのんを舐め続けた。
恋「今日話した事は一切口外しないでくれませんか?」
かのん「でも・・・」
恋「生徒が不安になったり、結ヶ丘に入学した事を後悔してほしくないのです。お願いします!!」
4人「あ・・・」
かのん達と別れた恋は母の卒業写真を見ながら。
恋「お母さま・・・あの時わたくしに何を・・・?」
Aパート
4人は屋上でストレッチ体操しながら。
かのん「じゃあ、音楽科だけで学園祭を行うっていうのも?」
千砂都「多分、入学希望者が少なかったんじゃないかなあ?」
可可「優秀な音楽科だけの方が、注目を集められる」
すみれ「苦肉の策って事ォ?」
可可「痛いデスゥ!!」
すみれ「そんなだから、普通科がナメられるのよォ!!」
可可「五月蝿いデスゥ~!!!」
千砂都「事情を聞けば理解出来るけど、皆はその事知らないもんね・・・」
かのん「そうだね・・・」
可可「ですが、今のままでは葉月さんは・・・」
すみれ「ずっと誤解されたままになるんじゃない?」
かのん「あ・・・」
「葉月さん!!」
かのん「ん?」
中庭で恋と4人の普通科の生徒が揉めていて、一人の生徒が「学園祭の決定に反対する署名」というプリントを恋に見せた。
「これ、学園祭の決定に反対する署名です!!」
「『創立者』の娘だからって学校はあなたのものじゃない!!」
「よく考えて下さい!!」
もめている所を見ているかのん達。
4人「ん?」
恋は冷静に返答した。
恋「話は生徒会を通して下さい。失礼します!」
恋の素っ気ない態度に生徒達は怒りを露わにした。
「何ィ、その態度ォ!」
「信じられないィ!!」
かのん「あ・・・私どうにか出来ないか、みんなに話してみる!!」
かのんは音楽科の生徒に話しかけた。
「音楽科メインでやるのは今回だけ!!」
かのん「うっ・・・」
「一切関わるなって、言ってるわけじゃないんだよ!!」
すみれ「思ったより当たりが強い」
「我儘言ってるのは普通科の子達なんじゃないィ!!」
かのん「アハハ・・・」
すみれ「何、圧倒されてんのよォ」
かのん「だってェ~!」
次にかのん達は普通科の生徒に話し、先程、恋に直訴した4人の生徒も含まれていた。
「参加したくない!!」
かのん「ええ!?」
「音楽科の催しに参加って手伝わせてあげるみたいな話でしょ?」
かのん「そうとは限らないと思うけど・・・」
千砂都「私は音楽を前面に打ち出した、うちの学校らしい学園祭をやるのはいいと思うけどォ・・・」
しかし。
「なら、普通科も一緒にっていうのが筋でしょォ!!!!公約でそう言ったきたんだし!!!!」
「大体何で生徒会長の肩、持つのォ!?」
「そうだよ!!学園祭でライブやりたいとか言っても絶対反対されるよ!!」
すみれは教壇に隠れて小声でかのんにいった。
すみれ「おバカァ!!同じ事繰り返してどーする!!!」
かのん(小声)「だったら、すみれちゃん言ってよォ!!」
そしたらすみれは無言で貫いた。
すみれ「・・・」
「澁谷さんはスクールアイドル続けたくないの?」
かのん「ええェ!?」
「私達、応援してるんだよ?」
可可「考えてみればそうでした。葉月さんスクールアイドル反対デスよね!」
千砂都「・・・え?」
可可「可可、矢張り普通科の皆さんに賛成しマス!!一緒に闘いましょう!!」
「おー!!!!!」
かのん「・・・ってこれ以上ややこしくしないで!!」
もう音楽科と普通科は険悪な状況だ。音楽科の生徒達は学園祭の準備が着々と進んでいた。
その様子を見たかのん達は。
かのん「どんどん進んじゃってる」
すみれ「もうお構いなしって感じね」
可可「このままじゃ、ますます葉月さんは・・・」
普通科の生徒達の間では恋に対する、嫌悪感を抱き始めた生徒が。
「あの人、嫌い」
「私達だって結ヶ丘の生徒なのにね」
かのん「どうしよう・・・」
千砂都「思ったより複雑になってるね・・・」
すみれ「そりゃそうよ、元々みんな感じていたからね。音楽科と普通科の溝」
可可「とういえ、どちらのクラスも譲歩しそうにありません」
かのん「だよねェ~」
そこで恋が部室に。
恋「・・・わたくしのせいです」
かのん「葉月さん!!」
恋「音楽科の子に聞きました。あなた達に話をしに来たって」
かのん「うん、何か出来る事ないかって思って・・・あっ、心配しないで。葉月さんの家の事は何も話してないから」
恋「申し訳ありません。わたくしの発言のせいで皆を困らせてしまいました・・・」
千砂都「・・・って事は、後悔してるって事?」
恋「・・・はい。理事長にも先程呼び出されました」
まさに口は禍の元だ。恋の回想で、理事長に呼ばれ、恋の発言騒動や音楽科と普通科の対立で理事長も黙っていられなかった。
理事長「明日の全校集会できちんと話し合いなさい。そこでまとならければ、今年の学園祭は中止とします」
恋「!!」
追い詰められた恋。
千砂都「そんな・・・」
恋「母と同級生だった理事長ですが、矢張り、わたくしに思う所はあるみたいで・・・」
かのん「今からでも間に合うよ!やっぱり、普通科と音楽科、一緒にやろうって話そう?まだ、何かあるの?」
千砂都「そうだよ!全校集会で葉月さんが話せばそれでまとまると思う」
恋「勿論、そうしたいのですが、ただスクールアイドルは・・・」
かのん「え?」
恋「スクールアイドルだけはやめてほしいのです!!!」
かのん「え?」
恋「この学校で活動しないで欲しい・・・」
必死に懇願する恋。
かのん「あ・・・」
千砂都「理由を教えてくれる?」
恋「かつて、ここには学校を廃校から救う為に、アイドル活動する生徒がいました。それがわたくしの母です」
千砂都「だからこの部屋には『学校アイドル部』のプレートが・・・」
恋「まだ、スクールアイドルという言葉が生まれるずっと前の事。母達の活動は評判になり、注目を集めました。でも目標は叶わず学校は廃校に・・・」
恋「だからわたくしは、母が新たに創ったこの学校でスクールアイドルを始めようと思っていました」
4人「え!?」
恋「母が願ったスクールアイドル活動で、学校を盛り上げようと・・・」
可可「あんなに嫌がってましたデスのに?」
恋「ですが・・・」
かのん「じゃあ、一緒にやろうよ!!それこそ私達で力を合わせれば!!」
恋「何に残っていないのです!!」
4人「あ・・・」
恋「いくら捜しても・・・」
恋とサヤは懸命に探してもスクールアイドルの記録だけは見つからなかった。
恋「スクールアイドル活動の記録だけ、残っていないのです!他の学校生活の記録は残っているのに・・・学校でアイドル活動をした、その記録だけがどこにもない。それで思ったのです。もしかしたら母は後悔していたのではないか、スクールアイドルでは学校を救えないと、感じていたのではないかと・・・」
かのん「そんな・・・」
可可「そう、決まったわけではないデス!!」
恋「なら、どうしてないのです?」
可可「あ・・・」
恋「大切な思い出の写真一枚残っていないなんてあると思いますか!?」
これにはかのんと可可は返答出来なかった。
かのんの部屋で。
千砂都「どう思う?」
可可「あの人の気持ちは分かりますが、だからといってスクールアイドルを禁止するのは、やっぱり酷すぎると思いマス!!」
すみれ「少なくとも、私らには何にも関係ない事だもんね」
千砂都「かのんちゃんは?」
かのん「私、スクールアイドル活動を後悔していた様にはどうしても思えない。葉月さんの家で見た、あのお母さんの笑顔は、物凄くキラキラしてた」
かのん「私、確かめたい」
可可・千砂都・すみれ「ん・・・」
翌日かのんは理事長室で。
理事長「神宮音楽学校の記録?」
かのん「はい、保管してあるものを見たいんです。お願いします!!」
理事長「ん・・・間もなく全校集会ですよ」
かのん「それ迄には必ず返しに来ます」
理事長「散らかさない様に」
かのん達4人は資料室でスクールアイドルの記録を探し始めたが、肝心のスクールアイドルの記録は見つからなかった。
かのん「違う」
千砂都「これも違う」
すみれ「当時の部活の記録はあるけど、学校アイドル部のものだけはないわね」
可可「こちらにもないデス」
すると恋が4人の所に。
恋「何度も探しました」
可可「あ・・・」
かのん「葉月さん・・・」
恋「そこだけ記録がないのです。あえて処分したとしか・・・」
可可「何か言ってはいなかったのデスカ?」
恋「いえ、小さな頃聞かされたかもしれませんが・・・」
恋「ただ、いつもの口癖の様に『同じ場所で想いが繋がっていてほしいと』と」
かのん「同じ場所・・・」
千砂都「だからここに学校を創ったって事だよね」
チャイムが鳴り。
恋「全校集会が始まります。行かなくては」
千砂都「どうするの!?」
恋「正直にみんなに話すしかないでしょうね。この学校で現状をどうなるか分かりませんが・・・」
恋は体育館に向かった。
かのん「同じ場所で想いが繋がる・・・」
かのんは恋に待ったをかけた。
かのん「待って!!!」
恋「ん?」
かのん「葉月さん!この部屋の鍵って、葉月さんが渡してくれたよね!?」
かのんの右手には以前、スクールアイドル活動の許可が降りた際、恋から部室の鍵として渡してくれた2本の鍵だった。(4話の「街角ギャラクシー☆彡」より)
恋「ああ、理事長は見当たらないと言うので家を探したらわたくしの机から」
かのん「ん!!」
恋「澁谷さん!?廊下は走ってはいけませんよ!!」
かのんは全速力で部室に向かった。
千砂都「かのんちゃ~ん」
と千砂都達が部室に来て。
かのん「最初、この部室に来た時、何があったっけ?」
可可「特には・・・」
すみれ「ここにあるの?」
かのん「分からない!!でも多分何かが・・・!」
かのんは奥の部屋に入り。
可可「こっちは何もなかったデス!」
千砂都「ただの物置だよ」
かのん「何か、何かがここに!!」
するとかのんの前にひとつの木箱を発見した。
かのん「あっ・・・」
箱には鍵穴があった。
かのん「これ、もしかして・・・!!!!!!!」
ー2につづく